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長瀬産業株式会社
(2022.9)
精密加工材料営業部 本山 直人 (2015年度入社)
化学系専門商社 長瀬産業
皆様が日常生活で長瀬産業という名前を耳にする機会は、そうそうないと思います。しかしながら、弊社は生活必需品から今回のメインテーマである半導体まで幅広く関わりのある企業です。1832年(天保3年)京都西陣で染料・澱粉などの取り扱いをおこなっていた「鱗形屋」がそのルーツになります。そこから長い年月を経て、化成品・医薬品・食品素材などをメインに取り扱う専門商社となりました。
ここで、商社という業態に関しても少し触れさせて頂きます。その特徴としては、製造業とは異なり、基本的に大規模な工場などを保有しない為、資産ベースで物事を進めることに縛られず、バックキャスティング思考(未来のある時点に目標を設定し、そこから逆算して現在すべきことを考える方法) でビジネス・業界を俯瞰的に捉えることにより、自社だけではなく業界全体が技術や利益などで世界的な競争力を持つ為の仕組づくりができる点です。私たちはビジネスパートナーと協業しながら、業界全体で社会に貢献できる存在だと考えています。
長瀬産業と半導体との関係は、1960年代に米国コダック社のリソグラフィ材料を輸入販売した事から始まりました。その後、1974年に米国コダック社の半導体セミナーを輪講形式で勉強する会"ナガセマイクロエレクトロニクスセミナー"を発足しました。その時々の技術的課題に対し、デバイス・露光機・フォトマスクなど様々な立場から参加者を募り、リソグラフィ技術の"あるべき姿"を語り合うことができる場を提供しました。当時の参加者の方からは「企業の垣根を取り払って"日本の半導体をどのようにすべきか"を参加企業全てが真剣に議論を行い、各社の技術革新に同セミナーが貢献した」とコメントを頂いております。このように、半導体黎明期から業界全体を巻き込み、化学系専門商社として半導体に関わり続けております。
長瀬産業に入社し、半導体業界に関わるようになったきっかけ
長瀬産業との出会いは、大学内で開催されていた企業説明会です。当時、大学4年生の段階で明確な自分の進路をイメージできておらず、就職活動にもそれほど活発に取り組んでいませんでした。そんな状況の中、大学内で開催されていた会社説明会にふらっと立ち寄りました。私自身、「商社って何?」という状態でしたが、単にモノを売り買いするだけではなく、グローバルに様々な企業・業界と関わりながら仕事ができるという点に大きな魅力を感じました。また、文系理系問わず募集していた点も専門的な知識を有していなかった私にとって大きなポイントでした。実は、偶然にも同じ大学の先輩が長瀬産業に入社されていたので、その方からも色々と話を伺いました。長瀬産業は、半導体以外にも化学・食品・医薬関連など様々な業界でビジネスを展開している為、その先輩の担当は別の業界だったのですが、会社の雰囲気や日々の出来事などを聞くと、私にぴったりの会社だと感じました。特に強調されていた点は、「日々変化が目まぐるしく、1パターンな業務内容に留まらない」という点でした。大変なことも多々ありそうですが、言い換えれば退屈しないという事なので、色々と飽き性な私にとってその部分もぴったりだと感じました。
入社後にどの業界に配属されるかは分かりませんでしたが、昨今の流れから直感的に「半導体業界は今後の成長に期待できそう!海外とのビジネス経験などを通じて自分の裾野が広がりそう!」と感じていた為、配属先として半導体業界に関われそうな部署を希望したことがこの業界に入ったきっかけです。
ここまでのキャリア、業務内容、やりがい・厳しさ
入社後、液晶・半導体用プロセスの前工程関連製品を主に取り扱う部署に配属されました。配属後は、社内システムや業務に関わる基礎的な内容の研修を1か月程度受けました。実際の業務内容は主に様々な前工程用材料を国内外に展開するという内容でしたが、大学で専攻していた内容とも異なり、当時の私にとって初めての内容ばかりで右も左もわからない状態でしたが、専門的な研修やOJTを通じて、徐々に内容を理解していく事ができました。配属から数か月で自分の担当顧客を持たせて頂き、徐々に一人で行動する機会が増えてきました。現在もですが、業務を通じて日々勉強の繰り返しです。勿論、当時の私の教育係やチームのメンバーからも色々と教えてもらったのですが、最も自分の成長を助けて頂いたのは、担当顧客のエンジニアの皆さんでした。今思い返すと良いご縁ばかりだったのですが、未熟な私にエンジニアの皆さんは親切丁寧に基本的なところから技術的なところまで色々と教えて頂いた事を今でも覚えています。座学も重要ですが、こうしたコミュニケーションによる学びは、どの分野でも成長への近道になると思います。そんな入社時から現在も引き続き、世界中のお客様に対して、幾社ものサプライヤー様と協力して、より良い提案ができるよう日々精進しています。
この仕事の良い点は、取扱製品が限定されないので、日々新しい発見・体験ができる点です。製品ごとの特性を理解する努力が必要になりますが、製品が変われば環境がガラリと変化するので、様々な技術・パートナーの方々と関わりを持ちながら常に新鮮な体験ができます。そこで得られる経験をベースに、今まで繋がることのなかった人と人を繋げる事で新たな価値を創造できます。
1つの分野を突き詰める仕事も非常に魅力的ですが、違った魅力を掛け合わせる仕事が商社にはあると思いますし、グローバルに活動できる点も大きな魅力の一つです。「この製品をこの国のメーカーに売り込みたい」と思えば、努力次第でいくらでも自分のフィールドを広げることができます。これだけ様々な国へチャレンジングに赴く事が出来る業種は数少ないのかもしれません。旅行のようにはいきませんが、仕事を通じて異文化を肌で体感できる最高の仕事です。
一方、やりがいと表裏一体の厳しさもあります。あらゆる製品をもってあらゆるエリアで活動するので、それらに適応する為のハードルが存在します。製品ごとに様々な要求やトラブルが発生することもありますので、その時々で臨機応変に対応していかなければなりませんし、多種多様な取り扱い製品に関する勉強も必要になります。その中でも最も重要なことは、様々な事柄に対する海外との調整です。日本と海外では勝手が違うことが多く、考え方や価値観の違いでぶつかり合う事も多々あります。商社は、関係者の間を取り持つ言わば調整役のような機能も必要とされるので、各方面に注意を払い、双方にストレスが掛からなようにうまく調整していかなければいけません。しかしながら、それを乗り越えて何かを達成する事ができた時、苦労が報われ喜びに変わると同時に自身の人間的な成長にも繋がります。
学生の皆様へのメッセージ
世の中には、多種多様な業界が存在しそれぞれに魅力がありますが、半導体業界ほど身近かつダイナミックな業界は唯一無二かと思います。各国が国策レベルで競争を展開し、半導体の需要は益々高まりを見せています。この活気あふれる業界で、様々な人・文化に触れながら、世界最先端の舞台で仕事ができる点は、長瀬産業や半導体業界にとって最大の魅力かと思います。また、我々が関わる全ての製品が安心・安全で温もりある社会に貢献にできる点も大きな魅力の一つです。
半導体といえば、デバイスメーカー、装置メーカー、材料メーカーなどがまず思い浮かびますが、弊社は商社というポジションなので、製品の売買だけではなく、業界内の物・人を繋ぐサービスという形でこの業界に関わる事ができます。前述の通り、メーカー業とは違い、基本的には自社の商材を持たない為、様々な製品・環境に対する適応力が求められますが、その分幅広い視点でグローバルに活動できます。学生の皆様も是非、理系文系問わず活躍できる商社という切り口からも半導体業界を捉えて頂ければと思います。
最後になりますが、この投稿が半導体業界での仕事のご参考になれば幸いに存じます。これほど日々の充実と成長を享受できる業界は他にないと思います。その中でも、特に化学系専門商社 長瀬産業にご興味を頂けるようであれば、何よりです。是非、我々と共に業界のNEW WAVEとなって半導体の発展に貢献しましょう!