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SCREEN セミコンダクター ソリューションズ

CCS 製品統轄部 制御システム技術部 森岡 慎也

私は立命館大学大学院の情報理工学研究科で、主にソフトウェア(画像認識・理解、機械学習、ビッグデータ)について学んでいました。ちょうどこの頃、ガラケーからスマートフォンを使うようになりましたが、当時の携帯電話といえば電話とメールを使って家族や友人など知っている人同士とコミュニケーションをとるデバイスでした。しかし、スマートフォンの普及によりこれが一変し、アプリケーションをインストールすれば電話やメールに留まらず、SNSで不特定多数のユーザーとコミュニケーションを取れたり、AIを駆使して自分好みのニュースを集中的に集めたり、クラウド上でデータをアップロード・ダウンロードして友達同士でデータの共有を簡単にできるようになりました。他にもアップルウォッチなどのウェアラブルデバイスによってその人のライフスタイルまでも変えてしまう、あらゆる可能性を秘めたゲームチェンジャーであり、今後も成長し続けるデバイスだと学生ながらに勢いを感じました。
この世界最先端のデバイスを支えるコア技術はCPUやメモリなど半導体が中心になっていることに強い興味を持ち、気がつくと就職先を半導体業界から探すようになっていました。数ある半導体関連企業の中で、学生時代に培った知識や技術が活かせる会社として、表面処理・直接描画・画像処理をコア技術にもつSCREENを見つけ、候補として考えるようになりました。この時の面接の過程で何名かの社員と話す機会があり、私の性格や雰囲気になんとなく合う会社だなと思い、これが決め手となって入社しました。

現在はSCREENで作っている半導体製造装置の内、洗浄装置のソフトウェア開発を行っています。装置データをコントロールする機能の開発に携わっていて、装置の機能拡張開発が主な仕事です。装置データをグラフィカルに表現することで、各動作部のばらつきを視覚化することや、不具合の原因を特定することに一役買っています。私の手で設計開発したものが、装置の一部に組み込まれて実際に稼働するところを見ると達成感もひとしおです。また、製造現場から感謝の声が届いたときも、やりがいを感じられることの一つです。最近も新OS変更に伴って一部の機能が動かなくなるという事案に即座に対応したところ、思いがけず感謝の言葉をいただき、とてもうれしく感じました。
私にとってはそれほど大きな仕事ではありませんでしたが、モノの価値観は人それぞれで異なることに気づき、どんな仕事にも情熱と責任をもって取り組むことで会社への貢献に繋がることを学びました。

半導体洗浄装置 SU-3200 外観
半導体洗浄装置 SU-3200 外観

ソフトウェア開発の他にソフトウェアインストーラ作成業務を入社当時から担当しています。この業務は特に品質が重視され、ミスの混入が許されない工程のため時間がかかる作業なのですが、作業に慣れ始めた頃に、品質を維持しつつ効率を上げる方法は何かないかと周囲に相談したところ、同じ思いを持った方がいることが分かりました。そこで若手を中心にグループを作り、作業手順の見直しやツールの機能強化など改善提案を行うようになりました。この地道な活動成果は、その後会社に認められ、社内の業務改善活動で表彰され最年少受賞ができました。トロフィーを受け取ったとき大きなやりがいを感じるとともに、提案することの大事さを覚えました。今ではチームリーダーとしてメンバーの育成も行う傍ら、継続的に業務改善に取り組んでいます。

最近では、社内のデータサイエンティスト育成計画に選出され、大学などの外部機関でデータの分析方法を学んでいます。ビッグデータを有効活用し業務に活かせるよう様々な知識を取り込んでいる最中です。入社当初は大学の研究で身に付けた知識や技術がそのまま仕事には直結しませんでしたが、数年経過して思わぬところからそれらを活かせる状況となりました。そのような機会を与えてくれた会社に感謝し、大学で価値ある技術分野を学べることにとてもやりがいを感じています。

一方で苦労して開発したツールが現場に受け入れてもらえないという苦い経験もありました。現場と意見交換し要求分析を行ったつもりでいたのですが、本当に望んでいることを聞き出せなかったのです。現場はベテランぞろいのため、いわゆる「ポカ除け」機能は不要だろうと考えて要件には含めていなかったのですが、結果的には現場では使ってもらえませんでした。現場の悩みやニーズが見つけることがいかに重要か身をもって学びました。開発したものを現場に「使わせる」のではなく、「使ってもらう」には何が必要なのかをしっかりと考えて仕事を進めることが大切で、機能開発がゴールではなく、現場の意思決定に寄与できることが開発のゴールだと学びました。

業務改善表彰トロフィー
業務改善表彰トロフィー
大学でのブレインストーミングの様子
大学でのブレインストーミングの様子

これらの業務経験を通じ半導体業界に入ってよかったと思うことを3つ紹介します。1つ目は、多様な技術や人に接する機会に恵まれていることです。営業、プロセス、ハードウェア、エレクトロニクス、ソフトウェア、調達、生産、検査、品質管理、フィールドサービスなど様々な分野の技術者が、異なる専門的な知識を駆使して1つの装置を作り上げています。開発を通じ自身の専門知識を深められるのはもちろんのこと、他分野の知識・技術を勉強する機会がいくらでもあります。2つ目は提案力を育てられることです。
お客様からの要望に対応する際、単純に対応するだけでなく、課題の本質を「見つけて」「解決策」を模索しプラスアルファの「提案」をすることを心がけています。期待を超えていくことで信頼関係が生まれ、次のビジネスが生まれます。3つ目は誰もが知っているような巨大企業とのコラボレーションを実感できることです。ニュースでしか知り得なかったような最先端の技術に触れることができます。

これから社会生活を迎える皆さんへのアドバイスとして、学生のうちに経験し身に着けておいて欲しいものをいくつか紹介します。まずはコミュニケーションスキルです。様々な業務に共通していえることですが、大半の仕事は一人で完結するものではなく、多くの職場の人と議論を繰り返し協力し合い初めて達成されます。どんなに高い学力や素晴らしい発想力・問題解決力を持っていても、自分一人が身に付けられる力には限界があります。職場では年齢・専門知識・価値観の異なる多様な人が集まっています。打ち合わせを通じ、経験に基づいたアドバイスからスマートな解決策が生まれることや柔軟な発想が身につくことがあります。サークル・アルバイト・学会など様々な人の価値観に触れる場所がありますので、コミュニケーションを積極的にとり、経験値を上げておきましょう。そうすれば入社後もスムーズに会社に溶け込めるはずです。このコミュニケーションスキルの中には英語も含まれます。半導体業界は世界中がビジネスフィールドで、メール・資料作成・プレゼンテーションなど一般的なビジネスシーンにおいて、英語の出番が非常に多いです。過去に海外企業へ開発を発注した際、仕様の問い合わせメールを英語でやり取りしていたのですが、細かいニュアンスが正しく伝わらず、意図した成果物とならず手戻りが発生したことがあり、自身の英語力のなさを痛感したことがありました。就職してからはなかなか勉強する時間も取れなくなりますので学生のうちに磨いておくことをお勧めします。

仕事も大切ですが、プライベートの趣味や興味のあることに積極的に取り組む姿勢を持ち続けてください。共通の趣味を持った仕事仲間との交流は休憩時間などを充実して過ごすことができ、深い信頼関係が生まれるので、込み入った相談をしやすく、解決のヒントや仕事で役立つアイデアが得られることがあります。趣味は心身のリフレッシュやストレス発散以外に、自分自身を一回り成長させる力を持っています。私事ですが、最近一眼レフカメラを購入したところ、今まで知らなかった社内のカメラ好きと交流する機会が生まれました。休日には写真を撮りに行ったり、飲み会を開いたりと新しいプライベートイベントが増えました。趣味を大事にすることで、昔より楽しみがたくさん増えて生活が充実するようになりました。

最後にこうやって文章にすることで、数年前まで皆さんと同じ学生であったこと、右も左も分からない状態からここまで成長できたことが実感できました。半導体業界は今後も成長し続ける業界であり、学生時代の知識をフル活用できて自身が成長できる環境が揃っていると思います。私の経験談が就職活動や大学生活の参考になれば幸いです。
無限の可能性を持った皆さまのご活躍を祈念します。

社員旅行の写真
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