ブックタイトルセミコンウェスト2019
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セミコンウェスト2019
セミコンウエスト201920 SEAJ Journal 2019. 8 No. 166別の市場動向に関する質問に対しては、台湾、中国の設備投資が想定よりもかなり好調、欧米はほぼ想定通り、日韓が年初の期待よりも大幅に悪化という見解でほぼ一致していた。今回の市場の調整が日韓メモリメーカーの投資延伸に端を発していることが理由であった。後工程の景況感は前工程ほど悪くない前工程と後工程では、後工程メーカーの景況感はそれほど悪化していなかった。前工程メーカーは、20.3期下期からの業績回復を期待していたが、前工程よりも設備投資のタイミングが数ヶ月遅れる後工程メーカーは、年初から、前工程メーカーよりも20.3期の市況を厳しく見ていた。加えて、足元では、中国の半導体内製化、台湾メーカー中心に製造拠点の脱中国の動きが加速する中で、OSAT が後工程装置の発注を増やしている。日韓通商問題の影響韓国メモリメーカーにとっては深刻な問題日韓通商問題の影響についても、各社に今後の見通しをヒアリングした。韓国大手メモリメーカーでは、日本からの輸出規制が厳しくなるフッ化水素や半導体用レジストの在庫を1ヶ月程度しか保有しておらず、このままでは早晩、製造に支障をきたすことから、対策に追われているとのことであった。韓国政府の対抗策は即効性なし目下、韓国政府が打ち出した対策は、結審まで18ヶ月を要するWTO 提訴、国内での材料メーカーの育成、調達先の多様化という即効性のないものばかりであり、韓国メモリメーカーの幹部は他の予定をキャンセルして渡日し、日本の材料メーカーと善後策を協議している。設備投資には止めの一撃5月に入り、米中貿易摩擦の短期的に妥結する可能性が低くなったことを理由に、韓国メモリメーカーは年後半に予定していた大型投資の意思決定を延伸したが、日韓通商問題によって、大型投資の意欲がさらに削がれることになったと見られる。半導体製造装置市場の動向貿易問題だけでなくメモリメーカーの業績も厳しいメモリメーカーが設備投資に踏み切れなくなっているのは、米中、日韓の貿易問題に加え、メモリ価格の低下によって、メモリ事業の収益性が悪化していることや、膨大な在庫を抱えていることも理由である。フラッシュメモリ価格は各社の減産によって、価格下落が一服している。7月9日付のDigitimes によると、Samsung Electronics、MicronTechnology は、顧客に約10% の値上げを要請するとのことである。尚、野村では記事の真偽は確認できていない。米中貿易摩擦で二つの投資の動き一部の製造装置は需要が増加傾向にある。米中貿易摩擦が長期化の様相を見せているため、中国での半導体の内製化、非中国企業の製造拠点の脱中国の二つの動きが加速すると予想していたが、その流れが、セミコン会場での製造装置メーカーへの取材で確認できた。中国のYMTC、CXMT が中国政府の要請を受けて、まだ、プロセス検証が必要と思われる状態で、装置を前倒しで発注している。2020年は、中国政府の支援を受けて、新たな中国メーカーが半導体市場に参入し、大型投資を行う可能性もある。また、OSAT が中国国外に製造拠点を新設しており、後工程装置への発注が出ている。ロジックは活況また、TSMC が設備投資にアクセルを踏んでいる。EUVL を5-6レイヤで採用したTSMC の5nm+ は、顧客の評判が高く、複数の大型受注を獲得しており、製造能力の拡張が必要になっている。EUVL への注目度上昇EUVL を本格的に採用したプロセスが、大型受注の獲得に成功したことで、EUVL の開発熱が盛り上がっている。今後、EUVL 用のマスク、マスクブランクス、検査装置などの需要がさらに拡大しよう。5G 関連の装置需要も出てきた5G 基地局用半導体及び端末向けの装置需要も増加傾向にある。化合物半導体、RF デバイス、センサ、PLP などの投資が増加している。先端パッケージIntel が開発した世界初のMPU 同士のTSV 積層パッケージFoveros、一部にシリコンインタポーザを使用したeMIB、PLP 向けの半導体製造装置の需要は旺盛で、組立用装置、パターニング装置の需要が拡大している模様である。