ブックタイトルセミコンコリア2019と韓国半導体事情

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セミコンコリア2019と韓国半導体事情

セミコンコリア2019と韓国半導体事情SEAJ Journal 2019. 4 No. 165 19準である。これによって、装置・材料とともに国産化率は折半水準にもならないことを意味する。だが、このような数値も2011年時点の国産化率にすぎない。11年を最後に、装置・材料に対する国産化率の調査が途切れているためだ。営業秘密の流出を懸念する需要先が調査に応じないことから、的確な実態は把握できないのが、実状だ。例えば、SEMI の資料では、韓国半導体装置メーカーの世界市場シェアは10.1%に過ぎなく、材料メーカーのそれは9.9%水準である。にもかかわらず、韓国の半導体装置市場は20年に世界最大の183億ドルに急増する見通しだ。韓国半導体業界が積極的に進めるメモリー半導体に対する超格差戦略は、後方産業を担う装置・材料・部品メーカーが同伴成長しなければならないと指摘されている。韓国メモリー半導体大手は世界的な競争力を持つ反面、半導体を製造する装置・材料といった後方産業の競争力は弱い。半導体製造に必要なコア装置などの大半は、日米をはじめとする外国製で補っている。韓国産業技術評価管理院の資料によれば、日米の装置技術を基準に露光装置の場合、韓国の技術水準は10%程度で国産化率はゼロ。また、イオン注入装置の技術水準は20%で国産化率はこれもゼロという。このような前・後方産業の非対称の生態系が形成された背景には、韓国勢が得意とするメモリー半導体ラインの導入が初期から急ピッチで展開されたためだ。1980年代にサムスン電子など韓国大手半導体メーカーが工場を建設する際、素早い立ち上げのために外国製の装置を輸入したことが、現状まで一種の副作用として作用している。現状を克服するために韓国政府は、コア装置・材料に対する早期自立とグローバル化を目指し、国家プロジェクトを進めている。韓国産業通商資源部(日本の経済産業省)は18年12月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領への業務報告で「装置・材料の集中的な投資を通して、自立とグローバル化を推進していく」と明らかにし、その一環として2022年まで毎年1兆ウォン(約1000億円)をR&D に投資することにした。産業通商資源部は「2030年まで100個のコア素材と部品、20個の高付加価値の装置技術を国産化する」と打ち出している。また、ムン政権は、次世代半導体技術開発に向けて、18年下半期から国家主導で大規模なR&D 投資を進める。4次産業革命を牽引すべく次世代半導体市場を先取りするために、2.5兆ウォン(約2500億円)に達する国家R&D を推し進める。現状のメモリー半導体に加えて、非メモリー半導体の国家競争力を強める狙いだ。国務会議に臨む文大統領出所:韓国大統領府2019年3月19日