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SEMICON China 2019レポート

24 SEAJ Journal 2019. 4 No. 165■半導体を必ず国産化する決意セミコン・チャイナ初日のキーノートスピーチには、SEMI チャイナの居龍総裁やSEMI のAjit Manocha CEO、華虹集団の張素心董事長、長電科技の李春興CEO たちが講演した。2日目に開催された「SIIP チャイナ(半導体産業イノベーション投資フォーラム)」には、国家IC 産業ファンドの丁文武総裁や中国科学院微電子研究所の葉甜春所長、清華大学微電子学研究所の魏少軍所長、上海集成電路産業投資基金の沈偉国董事長などが中国の半導体産業の技術開発の状況と投資機会について講演。米中対立による逆風下ではあるが、中国は先端半導体と半導体産業のサプライチェーンの国産化、および優秀な半導体人材の育成に注力し続けるとの強いメッセージを感じた。■最後にこのレポートが発表された頃には、おそらく米中貿易交渉の最終トップ会談が終了しているだろう。18年から1年以上をかけて争い続けて来た両国関係が和解に向かうものと予測している(3月末の執筆時点)。中国は米国からの大量輸入に同意し、今後は米国から農産品やエネルギー、電子部品が大量に輸入されるようになる。その電子部品の80%が半導体だといわれている。この恩恵を受けるのはマイクロンやインテルなどの米企業であり、そのしわ寄せが日本の半導体メーカーに及ぶかもしれない。運がよければ、JHICC への装置輸出規制が解除されるかもしれないが、これはしばらくは難しいだろう。中国は米国の要求を聞き入れ、すでに構造改革(知的財産権の保護、技術の強制移転の禁止、中国企業に限定した補助金の規制など)に着手している。中国企業は知的財産権を守る方向に変わらざるを得なくなった。習近平政権が始まった時の汚職防止の取り締まりもそうだったが、お上が一旦決めたことには皆が一斉に従うようになるのが中国の特徴だ。最近の環境規制がそのいい例だろう。中国には巨大な市場があり、基礎技術もある。もし、技術を盗まれる心配がなくなれば、中国は有望なパートナーとなり得るかもしれない。そうなれば、日本企業は中国ビジネスに対する発想を大きく変えなくてはならないだろう。中国が知的財産権を守る方向に変わるスピードと、我々日本人が持つ中国へのネガティブな先入観を上書きするスピードは果たしてどちらが早いだろうか?もっと中国企業のことを研究し、思いきって交流を深め、中国の変化の兆しの中からチャンスを探す努力を怠ってはいけないのではないだろうか。私自身もこうした想いをもとに中国から現地情報を発信していこうと考えている。最後に私事ではありますが、弊社(産業タイムズ社)とSEMI チャイナの許可をいただき、SEMI チャイナの対日本企業の活動をサポートするパイプ役として、今年からSEMI チャイナの顧問の大役をいただきました。今後ますます日本と中国の半導体産業の発展に貢献していきたいと思います。SEMI China の居龍総裁