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SEMICON China 2019レポート

20 SEAJ Journal 2019. 4 No. 165半導体製造装置・材料の業界団体のSEMI は3月20?22日、中国・上海市でセミコン、およびFPD チャイナ展示会を開催した。今年のセミコン・チャイナは8年連続で世界のセミコン展示会の中で最大規模での開催となり、10万人以上が来場した。業界内では、2018年秋からのメモリー工場の投資遅延や米中貿易戦争による中国半導体投資の減速が懸念されているが、半導体国産化の意欲の高まりからセミコン・チャイナの会場内は想像していた以上に熱気に溢れ返っていた。本稿では、中国の半導体業界の最新状況や中国の代表的な国産装置メーカーの動向を現地から報告する。■中国の半導体工場投資の動向今年の世界の半導体工場の設備投資額は529億4,900万ドル( 約5.87兆円) となり、前年よりも14.5% 減少するとSEMI(World Fab forecast, Front End)は予測している。このうち、中国市場は106億3,700万ドルで、世界平均より減少幅は少ないものの前年比で10%減となる。メモリー工場投資の減速をもろに受けた韓国市場は、99億8,900万ドル(48%減)へと大幅に落ち込む。これにより中国と韓国は僅差であるが順位が逆転する。ただし、20年はハイパースケーラー投資の復活により、韓国が再び中国を抜き返すだろう。中国で13工場(月産能力で十数万枚)の立ち上げ計画が堰を切ったように始まった18年の「爆投資」の状況と比べると、今年の中国市場は確かに減速を感じる。米中間の貿易戦争やハイテク摩擦が進行し、中国の新興3大メモリー企業の1社であるJHICC(晋華集成電路、福建省泉州市)は18年10月末、米国政府により米国製装置の輸入を禁じられてDRAM 試作ラインの立ち上げが中断した。この事件をきっかけに、米国が中国の半導体産業の台頭を封じ込め、中国の半導体工場投資が減速するというイメージが広く持たれるようになった。しかし、今年の中国の半導体工場投資の減速を米中摩擦によるものと一言で片付けてしまうには問題があるだろう。18年の「爆投資」の実態は、中国政府の資金にひもづいた工場建設や装置の大量購入によるものだった。そのため、顧客獲得の見込みがないまま立ち上がった新工場の多くが、次の装置を発注するまでにタイムラグが生じることは以前から予見されていた。つまり、爆投資から減速に転じた根本的な理由は、中国自身の実力不足に由来するところが大きい。このことは、電子デバイス産業新聞のHP の「電子デバイス新潮流」のコーナーの「中国の半導体装置市場は「右肩上がり」の成長はしない!!」(17年10月発表)の回に書いたことがあるので、ご覧になった方もいたと思う。多くのプロジェクトが次期投資を手控えるなか、YMTC(長江存儲科技、湖北省武漢市)は19年4?6月期に量産用装産業タイムズ社(電子デバイス産業新聞) 上海支局長 黒く ろまさ政 典の りよし善SEMICON China 2019レポート?セミコン/FPD チャイナ展示会と中国製造装置事情展示会初日の来場者の様子JHICC の工場完成イメージ