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SEMICON China 2018レポート

22 SEAJ Journal 2018. 4 No. 161万?3万枚の量産を始められないだろう」(材料メーカー営業部長)。■中国工場の過半は海外企業投資メモリー大手企業がDRAM や3D-NAND 工場を立ち上げる場合、初年度に月産能力3万枚、翌年に同3万枚、翌々年に同4万枚と、3年間で10万枚の工場を垂直立ち上げすることが一般的だ。しかし、量産経験がない中国の三大メモリー工場は商業生産の開始にたどり着くまでに約3年かかり、工場投資の第1フェーズでは騒いでいたほどの設備投資にはつながらない。しかし、だからといって中国の半導体工場投資が少ない訳ではない。著者が半導体工場や装置メーカーをヒアリングした結果では、18年の中国の半導体工場投資における中国企業の投資比率(導入能力ベース)は31%しかない。つまり、69%は海外企業による中国工場投資ということなのだ。19年や20年も海外企業の中国工場投資の比率は約65%あり、これが中国の半導体工場投資の一大勢力となっているからだ。20年までに大規模な設備投資を行うのは、インテル(遼寧省大連市)やSK ハイニックス(江蘇省無錫市)、サムスン(陝西省西安市)、TSMC(江蘇省南京市)、グローバルファンドリーズ(重慶市)などの海外の半導体ビッグカンパニーたちだ。これらの企業は中国の地方政府の補助金を活用して工場を立ち上げ、量産コストをセーブして競合企業より有利に立つ狙いがある。実際に2000年代に赤字状態に落ち込み、金融機関からの融資を受けられなくなったハイニックスは、中国の地方政府の担保のもと中国の銀行シンジゲート団から銀行融資を受けて無錫に300mm のDRAM 工場を稼働させて経営を復活させた。逆にこの後に経営破綻に追い込まれたのは、以前は勝ち組の座にあったエルピーダだった。過去の歴史に「もしも」を言ってもしょうがないが、あの時に中国に工場進出したのがエルピーダだったら、逆の結果になっていたかもしれない。つまり、それだけ中国政府の資金支援は半導体メーカーにとって大きなメリットで、海外企業が中国に工場を建設するモチベーションになっているのだ。■中国の国産装置メーカーが台頭上海市は半導体製造装置と材料分野に特化した100億元(約1680億円)規模の投資ファンドを18年内に運用開始する見通しだ。このうち中国政府系のIC 産業ファンド(大基金)が10億元を出資し、民間のファンド運用会社を加え、まず約50億元(約840億円)で装置・材料ファンドの運用を始める。「これまでは半導体工場の投資にチャイナマネーが集中していたが、これからは装置や材料メーカーに資金が向かう」(中国の投資ファンド会社CEO)。中国の半導体用の製造装置メーカー最大手のノーラ(NAURA、北方華創微電子装備、北京市)は16年にCVDやPVD、プラズマエッチング装置を製造していた北方微電子と縦型拡散炉やLPCVD、洗浄装置、マスフローコントローラーなどを製造していたセブンスター(七星華創電子、北京市)が合併して誕生した。17年8月に洗浄装置メーカーの米アクリオンシステムズを1500万米ドル(15.5億円) で買収することを決めた。中国政府の資金支援を受け、海外技術の導入にも積極的だ。半導体用装置のほかに、太陽電池や中国300mm 工場の装置導入予測(国籍別)出所:著者が業界ヒアリングをもとに作成セミコン・チャイナでとりわけ人だかりができていたNAURA の出展ブース